
「予想外の展開」は、急に訪れるらしいです。
50人の選手を擁するMFフィギュアスケートアカデミーで
予想外の展開が起きています。
「自分で自分を伸ばす」指導方針を徹底していくと
「選手を信じ抜く」ことに一番エネルギーを費やしている自分に気づきます。
教えたくなるのを、耐えて、耐えて・・・という感じ。
「大丈夫、この子は絶対に気づく」と自分自身のソワソワをブレーキして
選手を信じ抜く訓練をしていると表現した方がいいかも。
・・でも最近、耐える必要がなくなってきました。
だって選手たちが主体的に「自分で自分を伸ばす」のを始めてくれたからです。
スポーツ応用力学の「発案の種」をホワイトボードを使って
学校の講義のようにお話しするときも
選手たちの目が生き生きしています。
そんな中、この指導方針を徹底することで予想外の展開が起きています。
色々なチームからの移籍によってこのチームは出来上がっているので
今まで所属していた先生方のカラーがしばらくの間色濃く残ります。
練習時間はボーッとしている選手は怒鳴られないから戸惑っています。
仲間とたむろしてしゃべっているだけの選手たちも
一見、好き放題の野放しだから、5〜6人の動かないカタマリができています。
それでもコーチたちの目は大忙しです。
「◯◯ちゃんは、20分くらい喋ると練習始める」とか
「〇〇ちゃんが誘ってるけど、最近はそれに乗っていかなくなってる」とか
じっと選手たちを観察して、行動の特徴を掴もうとしているからです。
そんな中、言い方はだいぶ悪いですが「困った子」も存在します。
周りに悪影響が及ぶレベルの「ネガ存在感」を発揮するんです。
もちろんコーチ同士は対策を話し合っていますが
結局「もう少し見守ろう」ということになります。
そうして4ヶ月ほど経過しました。
ここにきて、急に予想外の展開が・・・。
今は、「ネガ存在感」を出していた選手ほど懸命に練習しています。
もし選手たちの態度だけを見て怒ったり罰を与えたりしてしまったら
この変化に遭遇することはなかったでしょう。
その結果ボクたちは「選手を信じ抜く大切さ」に改めて気付かされています。
それまでの環境が君をそうさせていたんだね。
「ごめん、悪かった!」。